不動産売却とレインズ、売主が知っておくべき仕組み

不動産売却を進めると「レインズに登録します」という言葉を担当者から聞くことがあります。

でもレインズが何なのか、登録されると何が変わるのかまで説明してくれる担当者は多くない印象です。

サテナカ
サテナカ

私はかつて不動産ポータルサイト運営会社で10年間、営業として関東の不動産会社1,000社以上の商談を行いました。

不動産会社側がレインズをどう使っているかを知ったうえで、売主として何を確認すべきかをお伝えします。

レインズとは何か

レインズ(REINS)とは、国土交通大臣から指定を受けた不動産流通機構が運営する、不動産会社専用の物件情報共有システムです。

全国の不動産会社が物件情報を登録・検索できる仕組みで、一般の方は閲覧できません。

売主から専任媒介・専属専任媒介契約を受けた不動産会社は、宅建業法により契約から7日以内にレインズへ登録する義務があります。

この登録によって、全国の不動産会社があなたの物件を買主に紹介できる状態になります。

不動産会社はレインズをどう使っているか

不動産会社にとってレインズは、自社で紹介できる物件を探すための情報源です。

実際の体験談

不動産会社はレインズで物件を見つけると、元付会社(売却を預かっている会社)に「この物件を買主に案内してもよいか」と確認を取ります。

元付会社がOKを出せば、買主への内覧案内や自社のポータルサイト・ホームページへの掲載が可能になります。レインズへの登録は「他社にも動いてもらえる状態を作る」ことを意味します。

また不動産会社によっては、片手取引でも構わないから他社にどんどん紹介してほしいというスタンスを取るところもあります。

実際の体験談

会社が多忙であることや、買主は物件への要望が多く成約まで時間がかかることを理由に、「他社にどんどん紹介してもらって構わない」と話していた不動産会社がありました。

両手にこだわらず早期成約を優先するこうした会社は、売主にとって動きが読みやすく誠実な印象があります。

売主はレインズを直接確認できない

レインズは不動産会社専用のシステムのため、売主が直接ログインして確認することはできません。

そのため自分の物件がきちんと登録されているかどうかを、売主は間接的な方法で確認するしかありません。

売主がレインズの登録状況を確認する2つの方法

確認する方法は主に2つあります。

①登録証明書を請求する

専任媒介・専属専任媒介契約を結んだ場合、不動産会社にはレインズへの登録後に売主へ「登録証明書」を交付する義務があります。

証明書には登録番号と登録日が記載されており、実際に登録されているかどうかの確認ができます。

交付されていない場合は担当者に請求してください。

②活動報告の内容を確認する

専任媒介では2週間に1回以上の活動報告が義務付けられています。

この報告にレインズ経由の問い合わせ件数や他社からの反響が含まれているかどうかを確認してください。

注意

活動報告がポータルサイトからの反響件数のみで、レインズ経由の動きに触れていない場合は注意が必要です。形式上の報告義務は果たしていても、レインズへの登録や他社への紹介が実態として行われていない可能性があります。

レインズと囲い込みの関係

レインズへの登録義務があるにもかかわらず、意図的に他社からの問い合わせを遮断しようとする「囲い込み」という行為が不動産業界には存在します。

囲い込みの手口や見分け方については、こちらの記事で詳しく解説しています。

一般媒介ではレインズ登録は義務ではない

レインズへの登録義務があるのは専任媒介・専属専任媒介契約の場合のみです。

一般媒介契約ではレインズへの登録は任意となるため、登録されないケースもあります。

一般媒介を選んだ場合、他社への情報共有はポータルサイトへの掲載が主な手段になります。

まとめ

レインズは不動産会社専用のシステムのため、売主が直接確認することはできません。

登録証明書の交付を受けること、活動報告にレインズ経由の動きが含まれているかを確認することが、売主としてできる現実的な対策です。

不動産売却において複数社を比較することが、こうしたリスクを下げる出発点になるかと思います。