媒介契約の期間、途中で解約・変更はできるか

「依頼した不動産会社の対応が悪い。でも契約してしまったから途中で変えられないのでは…」

そのような不安を抱えている方に向けて、媒介契約の解約・変更について整理します。

サテナカ
サテナカ

私はかつて不動産売却査定一括サイト運営会社で10年間、営業として関東の不動産会社1,000社以上の商談を行いました。

不動産会社側から直接聞いてきた話をもとに、解約・変更の実態をお伝えします。

専任媒介は原則として途中解約できない

まず法律上の原則を押さえておく必要があります。

宅地建物取引業法(宅建業法)第34条の2・3項において、専任媒介契約および専属専任媒介契約は最長3ヶ月の契約期間を定めることができるとされています。

契約期間を定める以上、期間内での中途解約は原則として認められていません。

ただし例外があります。

以下のような不動産会社側に非がある場合は、違約金なしで解除できる可能性があります。

  • 広告活動を一切行わないなど、誠実義務に違反している
  • レインズへの登録義務を怠っている
  • 活動報告の義務を果たしていない

逆に売主都合での解約の場合は、それまでにかかった広告費などの実費を違約金として請求される恐れがあります。

実際の体験談

郊外・地方エリアでは、売主の評判が不動産会社間で共有されることがあります。

「○○町の売主は言っていることが二転三転して、他の不動産会社にも話を持ちかけている」

「□□町の売主は市場価格とかけ離れた金額で売りたいと言ってくる」

そのような話を現場でよく聞きました。地域によっては売主側の情報も業者間で回るため、会社を変える際は丁寧なコミュニケーションを心がけることが無難かと思います。

一般媒介は比較的柔軟に解約しやすい

一般媒介は専任媒介と異なり、法的拘束力が弱い契約です。

途中解約の条項が契約書に記載されていないケースも多く、その場合は不動産会社との協議の上で解約できることが一般的です。

ただし契約書に「特別な広告活動を行った場合は費用請求あり」などの条項が記載されている場合は、費用が発生する可能性があります。

契約前に解約に関する条項を必ず確認しておくことをおすすめします。

トラブルを避けるなら契約期間の終了を待つのが無難

専任媒介で会社を変えたい場合、違約金リスクを避けるためには3ヶ月の契約期間終了を待つのが現実的です。

期間が終了しても自動更新はされません。更新するかどうかは売主の意思次第です。

3ヶ月で売れなかった場合は、担当者に必ず以下を確認してください。

  • 売れなかった原因をどう分析しているか
  • 今後の対応方針はどう変えるつもりか
  • 現在の売り出し価格をどう評価しているか

具体的な説明がないまま「もう少し待てば売れます」という対応が続くようであれば、更新のタイミングで会社を見直すことも一つの選択肢かと思います。

売れない期間が続くと値下げを打診されやすい

3ヶ月間売れなかった場合、不動産会社から価格の見直しを打診されるケースはよく見られます。

実際の体験談

売主が市場価格とかけ離れた金額で売り出したいという要望を出している場合、真っ先に値下げを打診されるケースを多く見てきました。

最初から根拠のある査定額を提示してくれる会社を選ぶことが、こうした打診を受けるリスクを下げることにつながるかと思います。

値下げ打診自体が悪いわけではありません。ただし根拠のない高値で媒介契約を取り、後から値下げを迫るのは「高値つり上げ」と呼ばれる手法でもあります。

最初の査定時点で価格の根拠をしっかり説明してくれた会社かどうかが、判断の基準になります。

担当者変更よりも会社変更が現実的なケースが多い

「会社はそのままで担当者だけ変えてほしい」という選択肢もあります。

ただし地元の不動産会社では、社長自身が営業担当として動いているケースがほとんどです。

その場合、担当者の変更は現実的に難しくなります。

担当者への不満が解消されないようであれば、契約期間の終了を待って別の会社に切り替えることを検討するほうが現実的かと思います。

見えないところで「放置」されているケースもある

媒介契約を結んでいても、売主が気づかないところで問題が起きていることがあります。

実際の体験談

ポータルサイトの広告掲載は一定期間が経過すると自動で終了するため、定期的に更新する必要があります。

ITリテラシーの低い不動産会社、特に年配の担当者の場合は掲載が終了していることに気づかずそのままになっていたケースをよくみました。

物件が検索に出てこない状態が続いていても、売主側からは把握しにくいため注意が必要です。

契約期間中は「ポータルサイトに自分の物件が掲載されているか」を定期的に自分で検索して確認することをおすすめします。

なお不動産会社が広告活動を一切行っていないことが確認できれば、それは誠実義務違反として解約事由になりうる点も覚えておくとよいかと思います。

最初の会社選びが後悔を減らす

途中解約には違約金リスクや業者間での評判共有など、想定外のコストが伴うことがあります。

最初に複数社の対応を比較したうえで媒介契約を結ぶことが、こうしたリスクを下げることにつながります。

一括査定サービスを活用すると、複数社の査定対応を同時に確認することができます。

まとめ

専任媒介・専属専任媒介は原則として契約期間中の途中解約はできません。売主都合の解約では違約金が発生する恐れがあるため、トラブルを避けたい場合は期間終了を待つことが無難です。

一方、不動産会社側に誠実義務違反や広告活動の怠慢が認められる場合は、違約金なしでの解除が可能になります。ポータルサイトへの掲載状況を自分でも定期確認し、問題があれば記録しておくことが解除交渉の根拠になるかと思います。