不動産売却一括査定サイトはやめておけのウソ

「ある一括査定サイトに申し込んだら、会社からたくさん電話がかかってきた」——そんな経験をした方も多いはずです。でも、その電話で一括査定サイトの担当者は何を考えているのでしょうか?

「一括査定サイト やめておけ」「一括査定サイト デメリット」などでの上位のサイトを見てみると結局、一つの企業が自分の会社への査定を依頼させるためのポジショントークであったり、自身の一括査定サイトを利用してほしいがためのセールストークであることも多く見受けられます。

サテナカ
サテナカ

私はかつて不動産ポータルサイト運営会社で10年間で、関東の不動産会社1000社以上とお会いしてきました。

この記事では、売主が普段見ることのできない「不動産会社の裏側」を一括査定サイトの中の人だった私だからわかる客観的な事実をお伝えします。一括査定サービスの正しい活用法と心構えに役立つかと思います。

この記事でわかること
  • 不動産会社が一括査定を重視する理由
  • 申込後の電話殺到への対策について
  • 会社ごとに熱量が違う理由
  • 会社が動きたがらない物件タイプ
  • 一括査定を賢く使うためのコツ

一括査定に問い合わせした売主は不動産会社にとって価値が高い

不動産会社の営業にとって、最大の課題は「売却意欲のある売主と出会うこと」です。

飛び込み営業だけでは売却を検討していない方にも活動を行うため、時間と労力がかかります。

一方、不動産売却一括査定サイトから来る問い合わせは、すでに「売却を検討している」と意思表示した売主のため非常に見込みの高いお客様になります。

また査定サイトの多くは反響課金制を取っており「1つの問い合わせで1万円前後」の料金を不動産会社へ請求していることもあり、本気度が高くなりがちです。

ポイント

一括査定サイトの中の人だった私が不動産会社の社長から直接聞いたのは「一括査定の問い合わせが来たら30分以内に電話やメール返信をする」という方がいました。

その方は来た反響を集計しており、即時返信した売主はその後のやり取りがスムーズになると言ってました。

申込後の電話殺到への対策について

一括査定サービスに申し込むと、複数の会社から短時間のうちに連絡が来ます。

電話を他のことに使いたいと思っていても査定サイトに問い合わせを行ってから数日は知らない電話番号から連絡が来ます。

完全ではありませんが、それを回避する方法があります。

電話連絡の対策

電話が多くて困る場合は、申し込みフォームの備考欄に「連絡はメールで」と記入するのが有効です。

また売却査定サイトによっては「まとめて査定してもらう」などの機能があります。その「すべての不動産会社に依頼する」という項目のチェックボックスを外して自分で3〜5社程度に絞ることで連絡を管理しやすくなります。

会社ごとに「一括査定への力の入れ方」は大きく違う

一括査定サービスに登録している会社でも、その活用度は会社によって雲泥の差があります。

積極活用型:一括査定に専門担当者を配置している会社

担当者を専任で配置し、問い合わせへの対応を最優先する体制を整えています。査定精度も高く、実績データもしっかり蓄積しています。

大手企業に多くみられる体制です。

消極活用型:登録はしているが体制が追いついていない会社

登録はしているものの、一括査定の対応専任者がいない会社もあります。

中小企業に多く見られます。他のサイトでは「信頼度が低い」などと表現されることもありますが、不動産業界のほとんどが中小企業で成り立っています。

連絡の遅さが信頼度が低いことに比例しないと個人的には思っています。それよりも連絡が来た際の対応など、直接やり取りをしたときに問題がないかを確認しましょう。

不動産会社が査定を「やりたがらない」物件タイプ

一括査定サービスに登録している会社でも、すべての物件に同じ熱量で対応するわけではありません。会社が力を入れたいのは以下のような物件です。

  • 都市部・駅近のマンション(需要が高く、すぐ売れる)
  • 3,000万円以上の高額物件(仲介手数料が大きい)
  • 自社の得意エリア内の物件

反対に、地方・郊外の築古物件、相続案件など権利関係が複雑な物件、低価格帯の物件は対応が遅くなったり、熱量が低くなることがあります。

理由としては不動産会社の報酬の仕組みが関係しています。不動産会社の利益は「物件が成約した時の手数料」で決まります。また手数料については「物件価格に対して〇%まで」と宅建業法で決まっているため、人気のない物件や価格の安い物件については熱量が下がるケースがあります。

ポイント

大手企業は広告宣伝費を多くかけているため、タイミングによって安すぎる物件はないがしろにされてしまう場合もあります。ただし買主を抱えている数が中小企業と比べると多いため、必ず1社は査定してもらうようにしましょう。

地域密着の中小業者でもタイミングによってないがしろにされる可能性はあります。

ただし安い物件をメインで扱う不動産会社も存在しており、その担当者であれば再建築不可の物件や未登記物件など、知識が必要な物件に対してもスムーズにやり取りができるため、こちらについても必ず査定依頼をしてもらうことをおすすめします。

まとめ:一括査定を賢く使うために知っておくこと

  1. 電話対応の速さは「やる気」の目安になる:信頼度の参考程度に活用
  2. 連絡が多すぎると感じたら、依頼社数を絞る:3〜5社が現実的
  3. 地方・郊外の物件は地域密着型の会社を重視する:大手だけに頼るのはNG
  4. 対応が遅い会社はお断りしてよい:査定を断ることに遠慮は不要

一括査定サービスは、あくまで「入口」です。問い合わせ後の担当者との会話で、その会社が本当に信頼できるかどうかを見極めましょう。