専任媒介契約をしたい不動産売却の会社

査定を受けると、ほぼ必ずと言っていいほど「専任媒介でお願いしたい」という話になります。

「売主のためを思って」という説明がつくこともありますが、本当にそうでしょうか。

サテナカ
サテナカ

私はかつて不動産ポータルサイト運営会社で10年間、営業として関東の不動産会社1,000社以上の商談を行いました。

その経験から、不動産会社が専任媒介を勧める「本当の理由」をお伝えします。

専任媒介を取ることが営業の第一目標

不動産会社の営業担当者にとって、媒介契約の締結は売却活動のスタートラインです。

そして専任媒介を取ることは、一般媒介と比べて大きな違いがあります。

一般媒介では他社が先に買い手を見つければ仲介手数料はゼロ。

専任媒介であれば、売れた際の報酬が確定します。

つまり専任媒介の獲得は、不動産会社にとって「売上の確保」を意味します。

「両手仲介」を狙えるのも専任媒介だけ

さらに踏み込んだ話をすると、専任媒介では「両手仲介」が狙えます。

両手仲介とは、売主・買主の両方から仲介手数料を受け取ることです。

通常の仲介手数料は売却価格の3%+6万円(税別)。両手になればその倍の収益になります。

一般媒介では他社も動いているため、自社で買主まで見つける「両手」は難しくなります。

専任媒介を強く勧めてくる背景には、この収益構造が関係していることが少なくない印象です。

実際のエピソード

商談の中で、「今は先物物件の広告掲載から始めて、将来的には専任物件の掲載も増やしたい」という話を多くの会社から聞きました。

専任物件であれば自社が率先して広告掲載できる。その強みを活かして両手取引を狙いたいという意図が、業界の中では珍しくない印象です。

「売主のため」という説明は本当か

専任媒介を勧める際によく使われる説明があります。

  • 「窓口が一本化されて管理しやすい」
  • 「うちが責任を持って全力で動ける」
  • 「一般媒介だと各社がバラバラに動いて売主が疲弊する」

これらは完全に間違いではありません。

ただし同時に、会社側の利益とも一致しているという点は頭に入れておくとよいでしょう。

「売主のため」と「自社の利益のため」が重なっている説明であることを理解したうえで聞くと、判断がしやすくなります。

専任媒介を結ぶ前に確認すべきこと

専任媒介を結ぶこと自体が問題なのではありません。

問題は「どの会社と結ぶか」です。

専任媒介を結ぶ前に、以下を確認することをおすすめします。

  • 査定額の根拠を成約事例で説明できるか
  • レインズへの登録を約束しているか
  • 他社からの問い合わせ状況を定期報告してくれるか
  • 売れなかった場合の対応方針を話してくれるか

これらに誠実に答えてくれる担当者であれば、専任媒介で依頼する価値があるかと思います。

複数社を比較したうえで判断するために、一括査定サービスの活用が効率的です。

まとめ

不動産会社が専任媒介を勧める背景には、報酬の確実性と両手仲介の可能性という、会社側の合理的な理由があります。

それ自体を悪とする必要はありませんが、「売主のため」という言葉だけを鵜呑みにせず、複数社の対応を見比べてから判断することが大切ではないかと思います。